カレンダーに予定を入れるとき、日付をくるくる回して時間を合わせて、場所を打ち込んで、招待する人を選んで。この一連の作業、地味に面倒じゃないですか?
iOS 27のカレンダーは、そこを丸ごと省きにきました。パブリックベータで触れるようになった新しいカレンダーは、思ったことをそのまま打ち込むだけで予定ができあがります。しかも背後にはSiri AIとビジュアルインテリジェンスが控えていて、写真からの一括登録まで用意されている。かなり本気のアップデートです。
思いついた文をそのまま打つと、予定になる
新機能の主役はSmart Event Details。Apple Intelligenceが入力中の文章を読み取って、タイトル、日時、場所、参加者を勝手に埋めてくれる仕組みです。木曜20時に渋谷で映画、みたいな一文を打つと、日付と時刻と場所が候補として浮かび上がり、タップすれば確定。日付選択のホイールとご対面する回数が確実に減ります。
毎週といった頻度の言葉も拾ってくれるので、繰り返し予定もテキスト一発。しかも後から毎週を隔週に変えると、以降の予定をまとめて調整してくれます。ここ、地味ですが実際に使うとかなり効く部分です。
同じ仕組みはリマインダーにも入っていて、木曜の14時に買い出し、のような書き方で日時と場所のメタデータが付きます。お節介に感じる人のために、設定からオフにする逃げ道もちゃんと用意されています。
iOS 27のカレンダー|話し言葉で予定を組み立てるアプリへ
| 提供元 | Apple(iOS 27標準アプリ) |
|---|---|
| 料金(日本・税込) | 無料(OSアップデートに同梱) |
| 対応端末 / 必要環境 | iOS 27はiPhone 11以降とiPhone SE(第2世代)以降。Smart Event DetailsなどApple Intelligence系の機能はiPhone 15 Pro以降が必要 |
| 主な特徴 | 自然言語での予定作成、カード型に変わった予定詳細画面、iCloudカレンダーの空き状況表示、特大ウィジェット、Siri AIとビジュアルインテリジェンス連携 |
| 向き・不向き | 予定の入力が多い人ほど恩恵が大きい。一方で対応機種と言語の条件があるため、旧モデルユーザーには当面おあずけ |
見た目も静かに、でも確実に変わった
予定をタップしたときの詳細画面は、画面下からせり上がるカード型のオーバーレイになりました。作成と編集の画面も整理され、各項目にアイコンが付いて何がどこにあるか一目で分かります。従来の詰め込まれたフォーム感が薄れて、ずいぶん風通しがよくなった印象です。

もうひとつ、iCloudカレンダーに空き状況のステータス表示が加わりました。予定あり、予定なしを相手に見せられるやつです。Googleカレンダーでは当たり前だった機能がようやく標準に来た形で、仕事の日程調整でiCloudを使っている人には朗報でしょう。
ウィジェットも拡張されて、リストと次はこちらに特大サイズが登場。ホーム画面1ページをまるごとカレンダーにできます。iOS 27の細かい新機能のなかでも、この特大ウィジェットは日常の見え方が変わるタイプの追加です。

本命はSiri AIとビジュアルインテリジェンスの合わせ技
カレンダー単体でも便利になりましたが、面白いのはここから。新しいSiri AIはカレンダーへのフルアクセスを持っていて、話しかけるだけで予定を作れます。メールやメッセージに書かれた日程をそのまま予定に落とし込んだり、繰り返し設定を口頭で指定したり、カレンダーとリマインダーをまたいで検索したり。独立アプリ化したSiriが、ようやくアシスタントらしい仕事をしてくれます。

そしてビジュアルインテリジェンス。イベントのチラシをカメラで撮る、あるいはWeb上の告知をスクリーンショットで撮る。それだけで内容を読み取って予定を作ってくれます。子どもの部活の練習日程が並んだプリントのように、日付がずらっと書かれた紙なら複数の予定を一度に登録することも可能。紙のプリントを手で打ち直す作業がまるごと消えるのは、想像以上に大きい変化です。
処理はオンデバイスとプライベートクラウドコンピュートで行われ、データはAppleにも第三者にも渡らないとされています。カレンダーは中身がプライベートの塊なので、この設計は素直にありがたい。
Fantasticalがずっと前からやってきたことに、ようやく追いついた
自然言語での予定入力そのものは新発明ではありません。サードパーティのFantasticalは相当前からこの入力方式を看板にしていましたし、Googleカレンダーにも似た機能があります。今回のAppleは、その土俵にやっと上がってきたという話です。
| アプリ | 自然言語入力 | 立ち位置 |
|---|---|---|
| iOS 27のカレンダー | Apple Intelligenceで対応。撮影やスクショからの登録、Siri AI連携まで含む | 標準アプリで無料。OSと深く結びついているのが最大の武器 |
| Fantastical | 長年の看板機能。入力の解釈は熟成されている | サブスクリプション前提。多機能だが有料 |
| Googleカレンダー | クイック追加で以前から対応 | 無料。Googleアカウント中心の人に強い |
ただ、精度の面ではまだ差があります。MacRumorsは、iOS 27の入力はFantasticalほど滑らかではなく、日付がうまく入らないケースもあると指摘しています。リマインダー側の自然言語解釈も手直しが必要な場面があるとのこと。ベータ版なので当然といえば当然ですが、乗り換えを即決するのは正式版を見てからでよさそうです。
日本のユーザーが引っかかりそうなポイント
まず対応機種。Apple Intelligenceが動くのはiPhone 15 Pro以降で、iOS 27自体はiPhone 11から入るのに、カレンダーの新機能の目玉部分は使えません。ここは毎年の話とはいえ、やはりもどかしい。
そして言語。Siri AIは英語圏(米国、英国、カナダ、オーストラリア、アイルランド、インド、ニュージーランド、南アフリカ)から始まり、他言語は後日拡大とAppleは説明しています。日本語のSiri AIを待つ必要がある以上、日本のユーザーが秋の時点でフルに味わえるとは限りません。Apple Intelligence自体はすでに日本語に対応しているので、テキスト入力のSmart Event Detailsがどこまで日本語で動くかが実質的な分かれ目になります。
ちなみに地域制限もなかなか強めで、Siri AIはEU圏ではiPhoneとiPadで当初提供されず(Macは対象)、中国でも見送りとされています。日本はこの手の制限リストに入らないのが救いです。
iOS 27のパブリックベータはすでに配信中で、正式版は例年どおり今秋の予定。ベータを試すかどうかは、メイン端末かサブ端末かでしっかり分けて考えたいところです。
【モノログ的視点】カレンダーは地味アプリじゃなくなる
正直に言うと、これ相当ワクワクしています。カレンダーって毎日開くのに、ここ数年これといった進化がなかったアプリの筆頭でした。それが今回、入力の方法そのものから作り直された。しかも足したのは新しいボタンではなく、面倒を消す仕組みのほう。この方向性、めちゃくちゃ好みです。
個人的に一番グッときたのはビジュアルインテリジェンス連携です。学校からもらってくる年間行事予定表、ライブの物販スケジュール、旅行の行程表。日付が並んだ紙を撮るだけで予定が並ぶなら、それだけでiPhone 15 Pro以降に留まる理由になります。買い替えを検討している人にとって、地味ながら効いてくる判断材料が増えました。
Fantasticalに課金してきた人はどうするか。標準カレンダーがOSの奥まで手を伸ばせる強みは大きく、精度が追いついた瞬間に有料アプリを続ける理由は薄くなります。とはいえ現時点の完成度なら、正式版で一度自分の使い方を試してから決めるのが賢いはず。慌てて解約する必要はありません。
条件が多いのは事実で、対応機種も言語もハードルはあります。それでも、標準アプリが本気で日常のストレスを取りに来たという事実が何より嬉しい。秋の正式版で日本語入力がどこまで賢いか、これは早く試したくてうずうずしています。
情報参照元: 9to5Mac・Here’s everything new for Apple Calendar in iOS 27/MacRumors・Everything New in Calendar and Reminders in iOS 27/MacRumors・Siri AI in iOS 27: Features, Requirements, and How It Works/画像: 9to5Mac


